2009年10月10日
介護シリーズ 9回目 在宅介護への段取り
急に寒くなった今日この頃、皆様如何御過ごしですか?
オバマ大統領がノーベル平和賞ですって? 彼は何をしたの?プラハの演説が評価されたのでしょうか。そうやったら言うだけやのうて、自分の国の核弾頭の100発でも廃棄しなはれ。しかしまあ、あのような演説をプラハでするちゅうのが出来過ぎちゃうかと。加藤周一さんの言葉を借りれば、圧倒的で無力な戦車と無力だが圧倒的な民衆の言葉が対峙したあのプラハである。是非ともオバマさんには頑張ってもらって、広島や長崎の悲劇を繰り返さないようにして頂きたい。
そんなことより我が阪神タイガースが今シーズンを終えた。今シーズンは夏で終わると思ったのだが、よくここまで楽しませてくれた。ゆっくり休んでくれ、タイガースよ。
休んでいられないのが我々小市民。不景気は相変わらずです。でも凹んでいても何も解決しないので自分でテンション上げて頑張るしかないです。是非とも亀井のオッサンに頑張ってもらってモラトリアム法を施行してもらわんとね。以前銀行はオレらの税金である公的資金注入で助けてもろたんやから、今度は小市民を助けたれよ。何も債権放棄せい言うてるんちごて、ちょいと待ってもらうだけやんけ。でかい企業や役所相手には借金棒引きしとるんやから出来んことないやろがコラ。あ失礼、言葉が汚かったですね (^^ゞ
さて、前置きはこれくらいにして。
「障害者自立支援法の重度訪問介護を利用しましょう」とストレートの長い黒髪が美しいM課長。詳しくはこちらのリンクを読んで頂きたいが、簡単に言うと身体障害者手帳を持っていれば、ヘルパーさんに来てもらう等の費用の90%を税金で面倒見てくれる制度だ。これを利用出来れば120万のうち30数万を介護保険、残り90万弱を障害者自立支援法でみてもらって、支払いはそれぞれ10%の約12万円ですむ。これなら両親の年金の範囲内でいける。
障害者手帳は、国立循環器病センターに入院中に申請していたので、既に発行されて手元にある。何の役に立つか分からなかったが、医師が勧めたので申請しておいたのだ。
申請書類を作るのは多忙な医師にとって手間のかかることらしいので、時間の余裕を持って手配しておいた方が良い。段取りは担当の医師か看護師さんに申し出れば良い。
で早速、市役所の障害福祉課に申請した。適用されるかどうかは市の認定会議で決定されるそうです。この辺の交渉は宝塚保健福祉サービス公社(以下公社)のM課長とベテランケアマネTさんにお願いしました。
障害者自立支援法は市町村が運営の主体になっているので、住んでいる場所によって認定されたりされなかったりがあるらしい。兵庫県だと神戸市や宝塚市は比較的ゆるいが、西宮市は厳しくてオヤジのような場合はほぼ無理だろうとのこと。申請されるままに認可していたら市町村の財政が破綻してしまうから、財政状況や首長のポリシーによって地域格差が生じている。 日本は法の下に平等やったんちゃうんか? という青臭い正論はこの切ない現実に打ち砕かれたが、何とか認可してもらわんと在宅介護ができない。
自治体の本音は、援助(認定)すれば社会貢献ができる(納税者になれる)若年層には認可してやりたいが、オヤジのような寝たきり老人には援助したくないらしい。
なんやとコラ。定年までしっかり働いて税金収めたやないか、これから収めるであろう不確実な人間と違うてたっぷり収めた実績があるやないかコラ! とヤカラ風に怒鳴り込んだろかと思うたが、暴言僻のある私の性格を既に見抜いていたケアマネTさんに制止されたので、冷静になって「何とか一つお願いします」と頭を下げてきました。
自立といっても赤ん坊には赤ん坊なりにオギャーと泣いてウンコブリブリするという立派な自立があり、寝たきり老人にもそれなりの自立があると思うのです。納税者になれる若いもん優先というは当人やその家族は言うても許されると思うが、役所の人間は言ってはいかんと思うけどなー。ま、役所もそうあからさまに言った訳じゃなくて、遠回しにそう言うたのですけどね。年齢や納税額で軽重の差があってはいかんと思いますわ。
この自立支援法は弱者無視の小泉自民党の時に自己負担がでるように改定されたのですけど、父のように年金収入がある人は自己負担分を払える。しかし、20才のフリーターがバイクで事故って首の骨折って寝たきりになりました、って場合は無収入なわけで、自己負担の10%を払えるわけないですわな。こんな法案は強行採決したらダメだよ。
とまあ頭を下げたかいがあったのかどうか解りませんが、無事に認定され、主治医も公社がお勧めしてくれたクリニックにお願いし、在宅での介護がスタートしました。
公社のM課長さん、ケアマネTさんにはとても感謝してます。介護初体験の右も左も解らん私に、仕事とはいえ親身になって段取りして頂きました。それまでの2名のケアマネがボンクラだったので初めは冷めた目で見てましたが、このお二方は信頼に足るプロでした。
ケアマネの中には障害者自立支援法を全く知らない人もいます。介護保険だけでまかなえる程度の老人しか担当したことないケアマネでしたら仕方ないでしょう。
病状にあった介護体勢がつくれる能力を持った介護事業所と、複雑な介護保険や障害者自立支援法に明るいケアマネを選ぶのが在宅介護の第1歩です。
ここまでのポイントを整理しましょう。
・寝たきりの経管栄養患者の在宅介護は受け入れ側の体勢をしっかり作ればどんなに重症でも可能。
・病院に居るうちに身体障害者手帳を申請しておくこと。
・在宅介護の司令塔であるケアマネ選びは重要。
・介護保険と障害者自立支援法で費用をまかなう。
さてここで最大の問題は、どうやって優秀なケアマネを見つけるか、であります。
ネットで検索しても大した情報はないです。各市町村役場には介護関係の窓口があります。宝塚だったら障害福祉課ですが、そこに相談しに行きますと、近所の介護事業所などを紹介してくれます。しかし紹介してくれた事業所やケアマネが優秀とは限りません。やはり正攻法で会って話してみるしか無いようです。人を見る目に自信が無い人にはしんどい仕事ですが、なに、ダメだったらケアマネや事業所は変えられますから、どんどんクビ切っていったらいいんです。
またこの作業は親の住んでいる街で行いますから、おそらく皆さんの幼少〜青春時代を過ごした場所でありましょう。故郷の同級生に連絡を取ってみれば同じ境遇の人も居ると思いますから情報をもらってみるのも良いと思います。なんせ介護は地元密着型の産業ですから、営業マン的に言い換えるなら、狭い範囲に拡販をかけるようなもんです。足で稼ぐしかない部分ですね。私の場合は午前中が自由に使えたこと、定休日が平日であったこと、いざとなったら臨時休業、と普通のサラリーマンより恵まれた環境でしたが、親が遠方にお住まいの方や、平日は忙しく時間がとれない人には大変な作業です。頑張って下さい、としか言えません。
もう一つ、市役所への申請等も含めて介護体勢を作るには1ヶ月以上かかる場合があるそうなので、退院時期の見極めは慎重に。ウチは1ヶ月たっぷりかかりました。
という訳で、父は2008年11月頭に退院して在宅での介護生活が始まりました。ヘルパーさんも優しい人達ですし、慣れ親しんだ自分の家に帰ってこれて、健やかな時間が流れていくだろう、、、と思っていたのですが。。。。続く。
オバマ大統領がノーベル平和賞ですって? 彼は何をしたの?プラハの演説が評価されたのでしょうか。そうやったら言うだけやのうて、自分の国の核弾頭の100発でも廃棄しなはれ。しかしまあ、あのような演説をプラハでするちゅうのが出来過ぎちゃうかと。加藤周一さんの言葉を借りれば、圧倒的で無力な戦車と無力だが圧倒的な民衆の言葉が対峙したあのプラハである。是非ともオバマさんには頑張ってもらって、広島や長崎の悲劇を繰り返さないようにして頂きたい。
そんなことより我が阪神タイガースが今シーズンを終えた。今シーズンは夏で終わると思ったのだが、よくここまで楽しませてくれた。ゆっくり休んでくれ、タイガースよ。
休んでいられないのが我々小市民。不景気は相変わらずです。でも凹んでいても何も解決しないので自分でテンション上げて頑張るしかないです。是非とも亀井のオッサンに頑張ってもらってモラトリアム法を施行してもらわんとね。以前銀行はオレらの税金である公的資金注入で助けてもろたんやから、今度は小市民を助けたれよ。何も債権放棄せい言うてるんちごて、ちょいと待ってもらうだけやんけ。でかい企業や役所相手には借金棒引きしとるんやから出来んことないやろがコラ。あ失礼、言葉が汚かったですね (^^ゞ
さて、前置きはこれくらいにして。
「障害者自立支援法の重度訪問介護を利用しましょう」とストレートの長い黒髪が美しいM課長。詳しくはこちらのリンクを読んで頂きたいが、簡単に言うと身体障害者手帳を持っていれば、ヘルパーさんに来てもらう等の費用の90%を税金で面倒見てくれる制度だ。これを利用出来れば120万のうち30数万を介護保険、残り90万弱を障害者自立支援法でみてもらって、支払いはそれぞれ10%の約12万円ですむ。これなら両親の年金の範囲内でいける。
障害者手帳は、国立循環器病センターに入院中に申請していたので、既に発行されて手元にある。何の役に立つか分からなかったが、医師が勧めたので申請しておいたのだ。
申請書類を作るのは多忙な医師にとって手間のかかることらしいので、時間の余裕を持って手配しておいた方が良い。段取りは担当の医師か看護師さんに申し出れば良い。
で早速、市役所の障害福祉課に申請した。適用されるかどうかは市の認定会議で決定されるそうです。この辺の交渉は宝塚保健福祉サービス公社(以下公社)のM課長とベテランケアマネTさんにお願いしました。
障害者自立支援法は市町村が運営の主体になっているので、住んでいる場所によって認定されたりされなかったりがあるらしい。兵庫県だと神戸市や宝塚市は比較的ゆるいが、西宮市は厳しくてオヤジのような場合はほぼ無理だろうとのこと。申請されるままに認可していたら市町村の財政が破綻してしまうから、財政状況や首長のポリシーによって地域格差が生じている。 日本は法の下に平等やったんちゃうんか? という青臭い正論はこの切ない現実に打ち砕かれたが、何とか認可してもらわんと在宅介護ができない。
自治体の本音は、援助(認定)すれば社会貢献ができる(納税者になれる)若年層には認可してやりたいが、オヤジのような寝たきり老人には援助したくないらしい。
なんやとコラ。定年までしっかり働いて税金収めたやないか、これから収めるであろう不確実な人間と違うてたっぷり収めた実績があるやないかコラ! とヤカラ風に怒鳴り込んだろかと思うたが、暴言僻のある私の性格を既に見抜いていたケアマネTさんに制止されたので、冷静になって「何とか一つお願いします」と頭を下げてきました。
自立といっても赤ん坊には赤ん坊なりにオギャーと泣いてウンコブリブリするという立派な自立があり、寝たきり老人にもそれなりの自立があると思うのです。納税者になれる若いもん優先というは当人やその家族は言うても許されると思うが、役所の人間は言ってはいかんと思うけどなー。ま、役所もそうあからさまに言った訳じゃなくて、遠回しにそう言うたのですけどね。年齢や納税額で軽重の差があってはいかんと思いますわ。
この自立支援法は弱者無視の小泉自民党の時に自己負担がでるように改定されたのですけど、父のように年金収入がある人は自己負担分を払える。しかし、20才のフリーターがバイクで事故って首の骨折って寝たきりになりました、って場合は無収入なわけで、自己負担の10%を払えるわけないですわな。こんな法案は強行採決したらダメだよ。
とまあ頭を下げたかいがあったのかどうか解りませんが、無事に認定され、主治医も公社がお勧めしてくれたクリニックにお願いし、在宅での介護がスタートしました。
公社のM課長さん、ケアマネTさんにはとても感謝してます。介護初体験の右も左も解らん私に、仕事とはいえ親身になって段取りして頂きました。それまでの2名のケアマネがボンクラだったので初めは冷めた目で見てましたが、このお二方は信頼に足るプロでした。
ケアマネの中には障害者自立支援法を全く知らない人もいます。介護保険だけでまかなえる程度の老人しか担当したことないケアマネでしたら仕方ないでしょう。
病状にあった介護体勢がつくれる能力を持った介護事業所と、複雑な介護保険や障害者自立支援法に明るいケアマネを選ぶのが在宅介護の第1歩です。
ここまでのポイントを整理しましょう。
・寝たきりの経管栄養患者の在宅介護は受け入れ側の体勢をしっかり作ればどんなに重症でも可能。
・病院に居るうちに身体障害者手帳を申請しておくこと。
・在宅介護の司令塔であるケアマネ選びは重要。
・介護保険と障害者自立支援法で費用をまかなう。
さてここで最大の問題は、どうやって優秀なケアマネを見つけるか、であります。
ネットで検索しても大した情報はないです。各市町村役場には介護関係の窓口があります。宝塚だったら障害福祉課ですが、そこに相談しに行きますと、近所の介護事業所などを紹介してくれます。しかし紹介してくれた事業所やケアマネが優秀とは限りません。やはり正攻法で会って話してみるしか無いようです。人を見る目に自信が無い人にはしんどい仕事ですが、なに、ダメだったらケアマネや事業所は変えられますから、どんどんクビ切っていったらいいんです。
またこの作業は親の住んでいる街で行いますから、おそらく皆さんの幼少〜青春時代を過ごした場所でありましょう。故郷の同級生に連絡を取ってみれば同じ境遇の人も居ると思いますから情報をもらってみるのも良いと思います。なんせ介護は地元密着型の産業ですから、営業マン的に言い換えるなら、狭い範囲に拡販をかけるようなもんです。足で稼ぐしかない部分ですね。私の場合は午前中が自由に使えたこと、定休日が平日であったこと、いざとなったら臨時休業、と普通のサラリーマンより恵まれた環境でしたが、親が遠方にお住まいの方や、平日は忙しく時間がとれない人には大変な作業です。頑張って下さい、としか言えません。
もう一つ、市役所への申請等も含めて介護体勢を作るには1ヶ月以上かかる場合があるそうなので、退院時期の見極めは慎重に。ウチは1ヶ月たっぷりかかりました。
という訳で、父は2008年11月頭に退院して在宅での介護生活が始まりました。ヘルパーさんも優しい人達ですし、慣れ親しんだ自分の家に帰ってこれて、健やかな時間が流れていくだろう、、、と思っていたのですが。。。。続く。
Posted by Joe at 05:55│Comments(2)
│介護
この記事へのコメント
Joeさん
ギターやライブの話はもちろんのこと、こういうテーマの日記もいつも興味深く読ませていただいています。
Joeさんの書き方がふるっていて、こういう一見堅苦しい(本当は身近であるべき大切な)問題についてもスッっと頭に入ってくるので、感謝しています。
誰にとっても他人事ではない問題。
参考にさせていただきます。
ギターやライブの話はもちろんのこと、こういうテーマの日記もいつも興味深く読ませていただいています。
Joeさんの書き方がふるっていて、こういう一見堅苦しい(本当は身近であるべき大切な)問題についてもスッっと頭に入ってくるので、感謝しています。
誰にとっても他人事ではない問題。
参考にさせていただきます。
Posted by TM at 2009年10月10日 11:09
TMさん、
ボク達アラフィフ世代には他人事じゃない問題ですよね。
せめて参考にでもなれば、また記録の為、遠方に住む父の兄妹の為でもあります。
ボク達アラフィフ世代には他人事じゃない問題ですよね。
せめて参考にでもなれば、また記録の為、遠方に住む父の兄妹の為でもあります。
Posted by Joe at 2009年10月11日 05:10
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