2009年01月04日
「社長失格」 板倉雄一郎

読書シリーズの第1回目です。一晩で読破、幸先いいぞ。
ホリエモン事件の頃、朝まで生テレビで真当な事を言っていた板倉雄一郎のこの書を読みました。
90年代のネットバブル、ベンチャーキャピタル、貸し渋り、等々のキーワードを、そのまま地で行った彼の会社の倒産に至るまでの記録です。
失われた10年と言われた90年代は私はまだサラリーマンでして、同時代に仕事をしていた者としてこの話はリアルに受け止められますが、それだけです。
倒産に至までの分析は非常に良く描かれていますが、分析の次に来るべき総合に言及されていない。
「失敗のケーススタディー」としての書だとのことですから、それはそうなんですが、私はオチというか、だからどうなんだ?という総合する部分がいつになったら出てくるのか待ちながら読み進んだのですが、結局最後まで分析で終わりました。
総合は彼のブログを読むと解ります。
世界金融恐慌とか言われている昨今も、バブル崩壊の時も、ネットバブル崩壊の時もいずれも土地取引の法改正、銀行の自己資本増強による貸し渋り、証券会社の倒産という”ちょっとしたこと”で1国や世界をゆるがす大騒ぎになってしまう構造こそが問題なのでしょうね。
今日、幼なじみを招いて我家で新年会をしてましたが、その中の美容室を経営する友人のように、当たり前に伸びる髪を月に1回程度数千円でカットする、というような何も無理の無い自然で嘘も騙しも無い商売こそが正しい経済の構造で、ちょっとしたことでは揺るがないビジネスモデルだと思いますわ。
しかしまあ、この本でもそうですが、バブル崩壊の時にビジネスの真っ只中に居た自分としては銀行のアホさ加減というか、責任感の無さにあきれます。
関西のある会社は地道に仕事していたのですが、土地を結構もっていまして、それに目をつけた銀行と商社とリース会社が寄ってたかって「社長、この土地があれば2億融資出来ます。この際でっかい工場を建てて事業を拡大しましょう。設備はこのリース会社、販路拡大はこの商社が面倒見ますんで、さあさあ借りなはれ」なんて、調子のいいことを言って2億貸すわけですわ。
で、バブルが崩壊したら「社長、今となってはこの土地では1億の値打ちしかないから担保ショートですわ。1億円返しておくんなはれ」と平気な顔で言うわけ。
1億なんて現金は無いから、仕方なく土地と工場を売って金返すわけですわ。で、当然倒産ちゅうわけ。
こんな話が当時は掃いて捨てるほどあって、そういうことを目の当たりにしてきた自分としては改めて銀行の倫理観の無さに憤慨するわけ。自分だけ儲けたらあかんよ。
ま、今の私には関係ないが。。。と言いたいところだが、不況になればローンは通りにくくなるし、父ちゃんの小遣いも減るから他人事やないのです。
この不況は長引きそうですけど、何とか生き残ろうぜ!
最後になりましたが、明けましておめでとう御座います。
今年も良い音が鳴るよう頑張りますので宜しく御願い致します。
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Posted by Joe at 04:57│Comments(0)
│読書
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