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2010年02月17日

自宅介護スタート

仕事を再開して一日が短いと改めて感じました。
左手はまだまだ指がしっかり曲がりませんが、もたつきながらも何とかやってます。
皆様の御来店を御待ちしております。

さて、介護シリーズ10回目です。

2008年11月。自宅での介護生活が始まりました。
ケアマネは(財)宝塚市保健福祉サービス公社(以下公社)のTさん、ヘルパーも公社のスタッフ、訪問入浴は池之島訪問入浴、夜間の泊まりヘルパーは(株)ふたばと(有)池田介護サービス、主治医はいまい内科クリニック、訪問看護は公社といまい内科クリニックの看護師、用品レンタルは川村義肢(株)、という多くの事業所、大勢のスタッフで体勢を整えました。
退院した日、つまり自宅介護がスタートする日に、それぞれの部門の責任者が一堂に集まって会議(業界ではカンファレンスという)をやりました。
母は名刺を沢山もらい、何回も挨拶を交わしたのですが誰が誰だか全部覚え切れません。自分がボケてきたのだろうかと不安になったらしいが、安心しろ、ワシも覚えきれてへん。

余談ですが、それぞれの事業所とそれぞれ契約書を結ぶのですが、今は消費者保護法や個人情報保護法などの影響でしょうか、契約書の隅々まできちんと説明しなきゃアカンらしく、延々と説明するのですよ。
しかもどこも同じような内容。全社から全部聴いておったら日が暮れるわい。それに契約書で気にくわない所があったら修正してくれるのか? と聞くと、それは出来ないと。
なめとんかい! 「 
義務ですから」 と続けようとするスタッフを抑えて、省略しましょうと押し切った。事業所の責任逃れの為だけに何時間も無駄にさせるなよ~~。せっかく作ったこの体勢を今更変更するなんて出来ないのだから。ええ、盲判(めくらばん)ですよ。
だいたいこういう契約書は事前に持ってこいよな。ビジネスの現場ではそれが常識やぞ。もっと言い換えたら商談を重ねて契約書を作るのがビジネスそのものだろう。そういう意味では介護業界はまだまだ未熟です。以上余談でした。

しかしまあ、これだけ多くの人が父一人を診て下さるのです。病院より間違いなく手厚い。
この日までに何回も打ち合わせを重ねて、父の介護計画書を公社のケアマネTさんと作りました。
朝一番に訪問看護が入り、その後2~3時間おきにヘルパーさんに1時間来てもらって、体位変換、オムツ交換、、等々をしてもらいます。夜間は22時に泊まりのヘルパーさんが来て、翌朝6時まで居てもらいます。
週一回の訪問入浴と医師の往診もあります。
インシュリンの注射、痰の吸引、栄養剤の点滴、は医療行為になるので公社のヘルパーではしてもらえないので、母が行います。夜間の痰吸引は技術を持ったヘルパーさんが来てくれるので、個人対個人で契約書を結び、痰吸引を依頼します。
他人が何人も頻繁に家に上がり込んでくるので、母にとっては結構なストレスの原因になるかもしれません。
また父の状態がどう変化するかも解らないし、心配の種はつきませんが、とりあえずこの体勢でスタートして問題箇所は適宜修正していこうと。
盛り沢山のサービスでスタートしたので、余計な、不要な部分を削っていくことになるだろうと私は予想していました。それくらい限度額いっぱいまで盛り込んだのです。毎日の訪問看護と一日4回のヘルパーさん、及び泊まり込みのヘルパーさん。これ以上手厚いのはもうヘルパーさん常駐くらいしかないのじゃないか。

ヘルパーさんは皆お優しい人ばかりです。
利用者とあまり個人的な話はしないそうなんですが、少し聞いてみました。
ヘルパーをしている動機は、親を何年も介護してその経験を活かす為だとか、あるいは生まれた時から障害を持ち寝たきりだった息子さんを見送って今後も弱者の為に働きたいと思ったから等、涙無くしては聞けない人間味溢れるバックボーンを持っている人も居ました。
病院の看護師さんほど技術に優れてはいませんが、老人に心優しいヘルパーさんに囲まれて両親の在宅介護生活は順調にスタートしました。
在宅介護は日常生活の中で営まれるものですから、介護スタッフの人間性は大きなポイントになると思いました。
腕の良い医師より老人の話を聴く医師、介護技術に優れたヘルパーより笑顔が素敵なヘルパーさんです。

さてスタートして数週間が過ぎ,思ってもみなかった面で困ったことがおきました。
母がワガママを言い始めたのです。
歳をとると、その人の人間性というか性格が、より鮮明に出るように感じます。
若い頃は社会性があるし、身体の自由は精神の余裕をもたらしますので、自分勝手な行動や言動は慎むものですが、老人という社会から厄介者扱いされた存在、決して周りはそう扱っていないのだが本人がそう思い込んでしまうのです、ひがみですかね、まあそういう感情と、腰が曲がったり耳が遠くなったり、物忘れが激しくなったり、という老人に普通にある身体の衰えは、本人にとってはやはり普通だと片づけられるものでもなく、まして夫が寝たきりで大変という状況においては精神に大きな悪影響を及ぼし、素が出ます。
その上、慣れない手技(インスリン注射や痰吸引)を自分がしないといけないというプレッシャー、他人がドカドカとひっきりなしにやってくる状況、物言わぬ父と居る孤独、
それらは「辛い思いをした病院から夫を慣れ親しんだ家に連れて帰ってきた」という、母が一番望んだことであり、最も平安に過ごせる環境を得たという、満たされた筈の気持ちを上回るストレスを与えました。
ワガママの内容は細かくは割愛しますが、人間同士の相性の問題です。
解決方法は・・・・全て母に合わせることでした。
頑固になった母親を説得することに私はホトホト疲れ切ってしまいました。
筋が通っていないことでも、スタッフの誰も悪くないことでも全て母が正しいということにして、私はスタッフに頭を下げ、母の希望に沿うようにして欲しいと頼みました。

スタッフに申し訳ないなーと思ったのですが、全然そんなことはなく、スタッフ曰く「よくある普通のこと」だそうです。
拍子抜けしました。
老人の扱いに於ては私より介護スタッフの皆さんの方が1枚も2枚も上手でした。
心優しいヘルパーさん達の気遣いで母のストレスは軽減されていきました。

ポイントを整理しましょう。

・医療と介護スタッフは技術より人間性が重要
・被介護者、介護者の意に沿うことが介護の本質

自宅介護がスタートして一ヶ月でこんな予想外のことが起きるとは、この先どうなるかと思ったが、
こんなもんじゃなかった。。。。。続く

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Posted by Joe at 04:59│Comments(2)介護
この記事へのコメント
Joeさん、仕事再開良かったですね!
昨年夏、ここで知った中野音響さんに行ったのですが、Joeさんとこにも、いつか行きたいです。

あ、そう言えば、Wadeさんには一度アコギのネックを作っていただいたことがあるのですよ。

この介護シリーズも毎回楽しみにしております。
(楽しみにってのは変かな...)
人間第一、というのはどこでも真理なのですね。
Posted by TM at 2010年02月19日 00:15
TMさん、
次にネックを作る時は是非ウチでお願いしますね!!!
Posted by JoeJoe at 2010年02月19日 03:26
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