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2009年02月09日

アナタはもう歩けません

アナタはもう歩けません

GRD 病室から見る夕焼け


介護シリーズ第2弾です。


2006年 秋
バス停の段差で転んで頭を強打。
国立循環器病センターにてクモ膜下出血と診断されるが、命に別状はなく軽症。
しかし、そのせいで脳の萎縮が進み、運動機能障害と若干の痴呆症状が出るようになった。
2007年1月 宝塚市立病院リハビリ科に転院。足で歩けるようリハビリに取り組むが効果が出ない。
2007年2月 奈良のリハビリ専門病院に転院。やはり効果無し。

この頃の私は実家にほとんど帰らず、こういう事態になっている事を詳しく知らなかったのです。
子供に心配をかけたくないという気持ちからでしょうが、自分の親不孝を反省しました。
で、ある日突然、宝塚市立病院のリハビリ科の女性ドクターから電話で呼び出されたのです。
翌日会って話を聞いたのですが、女医の言う事は以下の通りでした。

1_リハビリしても効果が出ず、父はもう一生歩けない
2_自宅で車イスの生活になるから、介護保険を利用して自宅介護の体勢をつくりなさい
3_早速、自宅の間取図を出してもらおう、ケアマネとも打ち合わせが必要だ

私はあまりの急展開にポカーンとして、口あんぐり状態だったのですが、
全ての事情を把握し、リハビリに関して色々調べてみると、以下の事が解りました。

1_リハビリには急性期リハビリと療養期リハビリがあり、急性期リハビリは発症後3ヶ月以内に行わないと効果が無い
2_国立循環器病センターから転院する際の病院選びでは、この区別をソーシャルワーカーは考慮せず病院選びを行った
3_宝塚市立病院では急性期リハビリのプログラムでは行っていない

1日1or2時間くらいのリハビリをやる以外はベッドで寝ているのですから、そら歩けるようにならんわなと思いましたよ。
歩けない⇒車イス⇒介護保険適用⇒家のリフォーム⇒デイサービス と型にはめようとしている印象を持ちました。
介護保険利用まで医師が面倒をみて利益があるのか?あるんだろうなー、ケアマネにも利益が・・・そういうことか?
まあ疑い出したらキリはありませんが、この女医はしつこく間取図を出せと私に電話してくるので、
「あんたは大工か! あんたの仕事は父を歩けるようにする事ではないのかっ!」と一喝してしまいました。
そうすると、この患者の心情を察しないお嬢様育ちぽい女医はやっとおとなしくなりました。

ケアマネージャーにも会って話を聞きました。
私は介護保険には全く知識が無く、説明を聞いたのですが介護保険の仕組みはかなり複雑で、これでは老齢の母が理解できないのも無理は無いと思いました。
私より少し若いこの女性ケアマネは昭和一桁生まれの母にうまく説明できず、介護保険はややこしいという印象を植え付けるだけの結果となりました。
このことが後々少なからず影響を与えることになった。
しかしそれ以前にこのケアマネ、やる気が無さそうだったので、正直やりたくないのか本音を言うように詰問すると、やりたくないと。。。
続いて介護保険システムの不完全な所などを蕩々と語り出し、私はこりゃアカンわと確信した。
お客の前で自分の会社や組織を非難する人間に仕事の出来るやつは居ない。クビにしました。

さて話は戻りますが、「アナタはもう歩けません」というのは余命宣告ほどではありませんが、父にはかなりショックなことでした。
なので、本人も歩けるようになりたいと言いますし、この小うるさい女医とおさらばすべく転院を決断しました。
市立病院のソーシャルワーカーや各方面からの情報で森ノ宮のボバース病院が良いということがわかり、打診して入院OKまでいったのですが、母の希望で父の京大学生YMCA時代のメンバーであった鍋島院長の西大和リハビリテーション病院にお世話になることになりました。
最初の診察で、父の脳のCT画像を見た鍋島院長が「これがあの藤森先生の脳とは・・・」と絶句した光景が忘れられません。
素人の私が見ても隙間の黒い部分が多いなと思ったほど父の脳は萎縮が進んでいました。
ここではかなり頑張って取り組んだのですが、効果はあまり上がらず認知症が若干進んだだけという切ない結果に終わりました。
こうなることが分かっていたら、最初からあの女医の言う通り自宅に帰って夫婦で静かな時を過ごさせてやったら良かったと後悔しました。
あの女医の言い方に、もう少し本人や家族が受け入れられやすい思いやりや配慮と、充分な説明があれば良かったのにとも思いました。
医師の言葉は適確でなければならないと思いますが、冷酷であってはいけないと思います。

続く


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Posted by Joe at 03:04│Comments(0)介護
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