アコギにPUを取り付ける際に、どれが良いかよく聞かれます。
どれが良いのでしょう。。。沢山あり過ぎて、私も全部試したわけではないので、よく解りません。
PUは大きくわけてピエゾとマグネティックの2種類があります。
ピエゾPUはピエゾ素子という圧力をかけると電流を発生する物質の特性を利用したものです。
弦の振動を受けてそれを電気に変換してアンプへ送る構造ですので、
弦の振動を一番多く受け取れるブリッジ部分へ装着するものが多いですね。
リボン状の細い板をサドルの下に敷き込むものや、ボディ内部のブリッジ下に両面テープで貼付けるもの、
あるいはトップ板(裏側or表面)に貼付けるものもありますね。
余談ですが、インクジェットプリンターもこのピエゾ素子を利用したものがあります。
インクを噴射するノズル部分にピエゾ素子を取り付けて、噴射したい時に電気を流してピエゾ素子を振動させて、
インクの粒子をノズルから叩き出す構造です。エプソンが採用してますね。
圧力(振動)を受けて発電するのがアコギPUですが、プリンターはその反対をやるわけです。
電気を流して振動させるわけですが理屈は同じですね。
これに対してヒューレットパッカードやキヤノン等の熱をかけて噴射させるものもあります。
サーマルジェット、バブルジェット等と呼ばれます。
これはノズル部分に瞬間的に熱をかけてインクや空気の膨張力を利用して噴射させる構造です。
ヤカンのお湯が沸騰して、注ぎ口からブシュッと熱湯が吹き出すのと同じ理屈です。
この利点は、、、ああ、脱線してますね。失敬。
マグネティックはエレクトリックギターのPUとほとんど同じ構造なんで、説明は不要でしょう。
え、説明しろって? えーと、マグネットとコイルがありまして、、、、やっぱ長くなるんで省略しましょう。
追記
マグネティックタイプのPUを使う時は弦の種類によっては音量が下がったりすることがあります。
アコギの弦にはブロンズ、フォスファーブロンズ、ニッケル、まれにステンレス、と巻弦の種類があります。
PUによってはブロンズ弦以外では音量が下がったりすることがあるので、
その場合は弦を換えれば解決しますので覚えておきましょう。
どちらのタイプにもパッシブとアクティブがありますが、結論からいうとアクティブの方が便利です。
PUで鳴らす時はライブステージやスタジオリハの時でしょうから、他の楽器との音量バランス、音色のコントロール、
ハウリング対策、等々電気的に操作することが多いでしょうから、アクティブにしておいた方が何かと便利です。
そういう面ではパッシブの利点なんて何も無いと思います。
電池が要らない、プリアンプと電池の重さが無いという利点はありますが。
んで、屁理屈は置いといてウチでお勧めしている2種類のアコギ用PUを鳴らしてみました。
LR.BaggsのiBEAMとM1です。どちらもアクティブタイプです。
ギターは我那覇美奈さんの愛機。(大阪のライブのついでにメンテがてら寄ってくれましてん)
アンプはベースアンプ、SWRのワーキングマンです。
ベースアンプはオーディオアンプとほとんど同じ帯域ですのでPAと同じと考えてまあOKです。
ギターアンプに繋ぐよりずっとリアルに鳴りますから、覚えておいて下さい。
iBEAMはボディ内部ブリッジ裏に両面テープで貼り付けるもので、加工無しに簡単に取り付けできます。
音色はどうでしょうか。私はとても好きなのでが、エレアコ的なキンキンしたものでなく、
ナチュラルな優しい音色に感じます。
しかし強く弾いた時のアタックというか迫力に欠けるきらいがあります。
またボディの響きをよく拾うのでハウリングしやすいかもしれません。
M1はサウンドホールに取り付けます。このルックスが嫌だという人は多いですね。
こちらも加工無しで簡単取り付けですね。
音色はナチュラルさに欠けて少々キンキンしてエレキって音ですが、ピエゾに比較してハウリングしにくいし、
強く弾いた時のアタックも良好ですし、総合的にコントローラブルだと思います。
フィッシュマンのレアアース(ハムバッキングの方)も角が取れた音色でなかなか良かったですし、
シャドーのナノマグも低音がドーンと鳴って良かったです。
でもM1が一番使いやすいかな。
もっともギターが違えば音色も大きく変わりますし、エフェクターの使い方やPAさんの腕も大きく関係してきますし、
音色の好みは人それぞれなんで、この動画は参考程度にして頂いて色々と自分の耳を基準にして吟味して下さい。
動画にブーンとノイズが入ってますが、
録音用のマイクケーブルの不具合ですんで、PUの性能とは関係ありません。
しかしなんですな。
抜釘手術の数日後に録画したのですが、縫うた傷口が指曲げると痛いもので、たどたどしい弾きくさで御恥ずかしい。
それに我那覇ちゃんのギターでデルタブルースは似合わんかったねぇ。