これはフレットレスベースのトラスロッドアンカー部分です。
アンカー部分の溶接が外れてロッドが空回りする状態でした。
スチール製のアンカーが曲がってますね。
これはまだ大丈夫ですが、ひどいのではネックのメイプルが潰れて亀裂が入っていることもあります。
原因は、弦を張りっぱなしにしていた為にアンカー部分に力がかかり続けてアンカーが変形して溶接が破損したか、
無理にアジャスタブルナットを回して壊してしまったか、どちらか解りませんが、珍しい事例ではありません。
引っこ抜きました。
3ミリほどの板状のアンカーにタップ切って、ねじ込んでから溶接してあるようなんですが、
水性接着剤のせいか錆び錆びですね。
こういう状態で弦の張力に張り合う力をかけるのですから、壊れるのもむべなるかなと思います。
弦を緩めた方が良いと解っていても、面倒だしついつい張りっぱなしにしがちですし、
こういう故障は少なくないわけだから、改良したら良いのにねぇ。
3ミリでなく、もっと分厚いアンカーにしてしっかり止めるほうがええと思いますけど。
このベースは国産のものですが、こんなところまでヴィンテージを真似しなくていいよね。
メーカーの設計者の方、是非ここを改良して下さい。
こういう修理って高くつくんですよ。それで修理を諦めるお客さまは多いです。
そうするとその楽器は、アンカー部分のほんのちょっとした事で御臨終となるわけでして、もったいないよね。
トラスロッドさえ元気だったら、ネックは半永久的にもちますから、メーカーさん是非お願いしますよ。
んで、このベースはトラスロッドを新しいのに交換です。
アンカー部分をウチで使っている丈夫なのに交換して、削り取ったエボニー指板を元に戻して完了予定です。
皆様、アンカー部分を労る為にも弾き終わったら弦は緩めましょう。
本日月曜は14時開店です。